Episode 0_(1)

やっとLOWKEYS FARM (ロウキーズファーム)を2023年8月1日からスタートさせることが出来ます。

思い返してみれば、このプロジェクトが動き出したのが2年前、いや準備期間を入れるともっと前になるか。

場所は、山梨県の富士河口湖町、富士の樹海を抜けたその先に、牧場風景が広がる富士ヶ嶺高原があります。

ここら辺一帯は、かつては高原であることを活かした大根の栽培が有名で、今でも富士ヶ嶺の大根は美味しいから欲しいと言われます。

その後、富士ヶ嶺には酪農が根付き、地域の地場産業となったのです。僕の両親も酪農をやっていて、同級生の半分くらいは同じように牛飼っていました。

時は流れ、僕は高校卒業後山梨から出て大学に行き、その後イタリアンの料理人となってしばらくした29歳の時に隣町の富士吉田市にお店を出すべく戻ってきました。

この頃になると、実家のある富士ヶ嶺は過疎化や高齢化がすこぶる進んでいて、若い人ほぼいなくない?という感じになっていました。

話は変わりますが僕はもともと、やりたいと思ったことは結構なんでもやってみる性格で、25くらいの時には「もうやりたいこともないし、残りの人生が長いな」と世捨て人モードに入っていました。

結婚し子どもが産まれ、「この子達が大きくなっていく姿は見てたいなー」とぼんやり思うようになった35歳くらいの時の健康診断の結果を受け、僕の中の感覚が大きく変化しました。

結果的に、何にもなかったのですが、「ガンかも」と思うような出来事に見舞われ、自分の死を初めてリアルに感じました。「別にいつ○んでもいいかな」と思っていた自分が「子どもに何か残してあげたいな」とか「残りの人生、人にために何かやろうかな」とか思うようになったわけです。

僕が子どもに残してあげられるのは、お金なのか仕事なのか、考えましたけど、多分ですが、そういうものよりも、どう生きていくか、困難にどう立ち向かっていくのか、0から何かを生み育てる楽しさ、みたいなことを僕がやっている事を通して感じてもらえればいいのかな分かんないけど、というようなふんわりした考えに辿り着いたわけです。

だったら、別に自分の子どもだけじゃなくて、地域のこどもや世の中の子どもみんなにとって何か心に残る体験や時間を過ごせることやりたいな、となっていき、今回のLOWKEYS FARMプロジェクトの原型みたいなものが頭の中で無限増殖していきました。

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